平成14年7月24日

UJI 花散歩

 

 


キリストの受難は聖なる愛―時計草

 



 宇治の神域(智泉荘周辺)に咲いた時計草(和名)です。写真を見れば名前の由来についての説明は不要ですが、花が時計の文字盤に似ていることから呼ばれています。英名はパッション・フラワーで、雄蘂の花柱をキリストに、副花冠を後光にたとえたものだといいます。パッションは普通名詞の「passion =激情」ではなく、「the Passion=キリストの受難」のことです。南アメリカを旅行中のスペインの宣教師たちが、発見したときの印象から名付けられたものだそうです。花言葉が「宗教、信仰する、聖なる愛」というのも解ります。作家の澁澤龍彦さんは、『フローラ逍遙』で次のように語っています。「トケイソウの裂けた葉は刑吏の槍に、のびた巻きひげは鞭に見えてきた。花の中心にそそり立つ子房の柱は十字架に、三本の花柱は、キリストの両手足に打ちこんだ三本の釘にそっくりであった。五つの葯はキリストの五つの傷痕、雄蘂はかなづち、副冠は茨の冠、萼は円光、花の白い部分は純潔、そして青い部分は天国にほかならなかった。五枚の萼片と五枚の花弁とを合わせた花の周辺の十枚は、ペテロとユダをのぞく十人の使徒を思わせた」ブラジル(熱帯アフリカとの説もあります)原産。トケイソウ科。学名 Passiflora caerulea。別名 パッション・フラワー、ボロンカズラ(日本には江戸時代中期に渡来しましたが、その船がボロンを経由して来たことからボロン葛というのだそうです)。六月から九月に咲きます。紅花時計草・果物時計草・穂咲き時計草など約400種類あるそうです。
 







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