平成14年9月11日

UJI 花散歩 弐拾壱



言の葉の名さへあだなる―露草(つゆくさ)の花

  夜明けとともに開く花は、早朝の露を帯びている印象が強かったのでしょう。そこからつけられた名前といいます。また一説には、古名のツキクサ(着草)が転じてツユクサになったといわれています。着草とは、この花で衣類などを染色した(平安時代より花の汁で布を染めていた)ことからつけた名前といいます。朝早く開いて昼過ぎに萎む繊細な半日花のはかなさと、着草で染めた色がすぐ色褪せるはかなさとの呼応は、古人(いにしえびと)の時代より感じていたようです。
『万葉集』にこんな歌があります。
  つき草に衣ぞ染むる君がためしみ色ごろもすらむと思いて   巻七・1255
  つき草に衣色どりすらめどもうつろふ色といふが苦しき    巻七・1339
  朝露に咲きすさびたるつき草の日くたつなへに消ぬべく思ほゆ 巻十・2281
 西行も、このように歌っています。
  移り行く色をば知らず言の葉の名さへあだなる露草の花
 花弁・萼(がく)とも3枚づつあることになっているのですが、見ての通り2枚ずつしかありません。その真相は……。ミッキーマウスの耳を思わせる2枚の青い花びらは花弁です。残る1枚の花弁は、細長く透き通るような白色で、雄蘂の花糸の後ろで僅かに姿を見せています。その両側にある白いのが萼片で、青色の花弁の脚部に見えるのと合わせて3枚です。真ん中の黄色い粒々が3組の雄蘂の葯で、羽根を広げた黄色の蝶のような形をしています。そのずっと下にある黄色いのも雄蘂ですが、その4組は仮雄蘂といって見せかけだけで花粉も蜜も出しません。象の鼻のように伸びている3本の花糸のうち、先端の黒っぽい両側の2本が花粉をつける本物の雄蘂です。真ん中の象の鼻が雌蘂の花柱とのことです。花が萎むとき、雄蘂の花糸と雌蘂の花柱ともに螺旋形に巻き込まれ、その時、雌蘂の柱頭が雄蘂の葯に触れて自花受粉が行なわれる由。日本・東アジア原産のツユクサ科ツユクサ属の一年草。花言葉は「尊ぶ」「なつかしい関係」です。(大拝殿手水舎周辺)












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