平成14年9月30日

UJI 花散歩 参拾六



絶滅の恐れのある草花―フジバカマ


  秋の七草のひとつ。葉が三裂するのが特徴です。花の色が藤(ふじ)色で花弁の形が袴(はかま)のようで藤袴(フジバカマ)と名づけられました。山林や山地、川岸の土手に生育するキク科フジバカマ属の多年草です。しかし、野生種は絶滅の危機にあると環境庁が発表しました。園芸用に栽培されているものが殆どです。薬草として中国から渡来し、観賞用に栽培されていたものが野生化した、というのが定説になっています。フジバカマは、原産地の中国から漢字が入ってくるよりももっと前から渡来しています。万葉や平安のインテリ達は漢名の「蘭草」からか、「蘭(らに)」と呼んでいたようです。源氏物語の「藤袴の花」にも「蘭(らに)の花のいとおもしろきを持ち給え」とあります。しかし、古くからのフジバカマと呼ばれて、ラニは定着しなかったようです。

  秋の野に咲きたる花を指おりてかきかぞうれば七草の花
  萩の花、尾花、葛花、撫子の花、女郎花、またフジバカマ、朝貌の花

 と山上億良によって『万葉集』に詠まれています。秋の七草は、1200年のときを越えて日本人の心を捉えてきました。古人(いにしえびと)がよりすぐった秋の七草……。フジバカマは花の美しさより匂いで選ばれたのでしょうか。刈り取って茎と葉を半乾きにすると桜餅の葉のような香りがします。別名を香草といいます。しかし、茶花としても用いられ、さりげなく秋を感じさせます。(智泉荘周辺)













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