平成14年10月9日

UJI 花散歩 四拾四



花びらは何処?―ヤマジノホトトギス(山路杜鵑草)


 白地に赤紫の斑点は、奇抜な花形と相まってお洒落で洋風なイメージのヤマジノホトトギス。長い花柱の先端には、6本に枝分かれした雄蘂が目立ちますが、受粉を助けるように粘膜に覆われています。その下の6本の雄蘂が先に成熟し、自家受粉を免れる雄性先熟の花です。ヤマジノホトトギスは、家庭の庭でよく見かけるホトトギスやヤマホトトギスとよく似ていますが、6枚ある花被片が反り返らないことから見分けがつきます。この2段構えの花ですが、上にあるのは雄蘂と雌蘂で花びらとは違います。しかし、下にある花びらも半分の3枚は花被片といって花の保護をするためにつくられた葉の変形ですから、やはり花びらではありません。それではいったい花びらはどれなのでしょうか? おまけにヤマジノホトトギスの雄蘂や雌蘂の柱である花糸や花柱などには花びら(?)と同じ飾りの美しい斑点が見られます。こうなるといったい何がなんだか混乱してしまいますが、ヤマジノホトトギスにとっては余計なお世話かも知れません。花びらも、雄蘂も、雌蘂も、かってに人がつけた名前 ですから……。秋風を感じ、虫の音を聞きながらヤマジノホトトギスを眺めれば、それでいいのかも知れません。参考に「花散歩 壱拾八」の「いかにも茶人好みの渋さ―ホトトギス(杜鵑草)」を御覧下さい。(智泉荘周辺)













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