平成14年10月13日

UJI 花散歩 四拾七



新しい美意識や価値観で受け継がれる―茶


  私達は毎日お茶を飲んでいます。食事の後、オフィスで一息つく時、来客時……。「日常茶飯事」という言葉があるようにお茶は極当たり前に生活の中に溶け込んでいます。茶というと5月の新茶(この時期の葉の天ぷらは美味しいですね)を思い浮かべますが、茶の花は10月〜11月に咲きます。花は雄蘂が多く、中央に先端を2裂させた雌蘂が見えます。ツバキとよく似た果実をつけますが、花を見るとツバキ科であることが頷けます。茶は、栄西禅師が1191年に中国から種子を持ち帰って以後、各地で栽培されています。帰国から約20年後、栄西禅師は『喫茶養生記』の中で「茶は養生の仙薬なり。延命の妙術なり」と記し、薬としてのお茶の効用をたたえています。わが国の最初のお茶の専門書の誕生です。栄西禅師の帰国後、禅寺を中心に茶は徐々に広がりはじめ、やがてお茶をめぐるひとつの新しい動き「茶の湯」が生まれます。利休は、10代で茶の湯を学び修行に励みました。天性のセンスと生涯にわたる研鑽の日々により、新しい美意識や価値観を生み出した利休は、喉 の乾きを潤し、心の渇きを癒やすお茶に、もうひとつ全く異なった光をを当てた茶の湯を確立し、およそ400年後の現代まで受け継がれています。茶の木というのは、ツバキ科ツバキ属の永年常緑樹で学名を「カメリア・シネンシス」といい、世界で一種類しかありません。紅茶、緑茶、烏龍茶は、別の原料から作られたお茶に思えますが、実は全て同じ植物から採取された葉から作られます。細かく分けると茶という種は、「中国種」と「アッサム種」の2種類に分類されます。中国種は、日本茶に代表される宇治や静岡などの茶畑でも見かける通り低木です。アッサム種は、19世紀初頭の頃にインドのアッサム地域で発見された新種のお茶の木です。直立で高さ20メートルに達するものもあり、およそ日本人が想像する茶の木とは違った容貌のものです。紅茶には、このアッサム種が向いています。茶の花言葉は「純愛」「追憶」です。(智泉荘周辺)













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