平成14年11月23日

UJI 花散歩 八拾七




千客万来の縁起木―ヤツデ

  ヤツデというとグローブのような大きな葉を思い浮かべますが、名前の通り、大きく裂けた葉が特徴です。天狗の持っている葉団扇はヤツデですね。気をつけて見る人は、ボールのような花がついているのに気がつきますが、いつが花の最盛期かを考えることは滅多にありません。大柄なので必ずしも好まれないのでしょうか。この時期、晩秋から初冬に整った花をつけます。春に熟して黒い実になり、これが落ちて繁殖します。ヤツデの花には、雄花と雌花の区別はありません。両性花といわれ、ひとつの花が日が経つにつれて、雄花から雌花に変わります。雄花の時期は雄性期(ゆうせいき)と呼ばれ、雄蘂(おしべ)が成熟して花粉を出し、蜜も出します。やがて雄蘂と花びらが散り、蜜も止まると、今まで小さかった雌蘂(めしべ)が伸び始めます。雌蘂が成熟するとふたたび蜜を出して虫を呼びます。花粉をつけてもらうためです。この時期は雌性期(しせいき)と呼ばれます。雄蘂と雌蘂の成熟する時期がズレているのは、同じ花の花粉が雌蘂につくことを避けるための工夫です。近親 交配すると性質の劣る子孫が出きる可能性が高いからです。ヤツデは昆虫の少ない冬に開花するので、受粉に必要な昆虫たちをおびき寄せるために、特に甘い蜜を用意しています。葡萄や柿などの果実の糖度(糖分の%濃度)は、甘くてもせいぜい15〜20ですが、開花したばかりのヤツデの花は、クリーム色の花床(かしょう)に糖度50以上といわれる甘い蜜を分泌します。日本原産なので学名もFatsia japonica とjaponica の文字が入っています。ヨーロッパでは人気の観葉植物らしい。ヤツデは、葉が手のひら状に分かれ、八ツ手を感じさせるところから「客を招く」の意に解され、千客万来の縁起木として玄関前に利用されます。 ウコギ科ヤツデ属。花言葉は「分別」です。(宝蔵神社周辺)













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