平成14年12月5

UJI 花散歩 九拾九



女性に受け入れられて家庭に浸透―ハトムギ

 ハトムギ(鳩麦)の原産地は、インド・ビルマ地域ではないかと思われます。栽培地域は東南アジアを中心に熱帯から温帯に分布し、古くから食料や保健食として利用されていた記録も多く残っています。日本には約300年程前の享保年間(1716〜1735)に渡来し、以来自家用、薬用として小規模に栽培されてきました。現在も供給の大半をタイ・中国の二カ国の輸入に依存しています。ハトムギは、古来「朝鮮麦」「唐麦」などと呼ばれ、明治以降に鳩が好んで食べることから「ハトムギ」という名がつきました。鳩麦茶としてブームとなって多くの人々に愛飲され、そのさわやかな飲み心地から“漢方の薬”であることすら忘れてしまっている人もいるようです。ブームになったきっかけは、健康だけでなく美容にも効果があるということだったのでしょう。まず、女性に受け入れられて家庭に浸透しました。美容と健康にすぐれた効き目があり、美肌、ダイエット、便秘、下痢、腎臓病、肝臓病、潰瘍、癌、そして疣(イボ)取りに効果があるようです。漢方薬の分野では、ハトムギ の殻を取り除いたものを「苡仁(よくいにん)」と呼び、日本でも薬として認められています。とりわけ中国では2000年の昔から薬だけでなく滋養強壮の健康食として愛用され続けています。中国の古書『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』には、「筋肉が異常緊張してひきつり、屈伸できないもの、関節炎、リューマチの疾患、疼痛のある身体マヒによい」とあり「久しく服すれば強壮薬にもなる」と記載されています。しかし、美肌やイボ取り、母乳を増やすという記載は漢方には無くて、古く貝原益軒(かいばらえきけん)が民間で行なわれた療法を『大和本草(やまとほんぞう)』【1708年】に紹介したのが始めだそうです。(智泉荘周辺)













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