平成15年2月11

UJI 花散歩  壱百四拾参

早春の輝き・新春一番の花―フクジュソウ


   陽ざしがやさしくなり始めると春の訪れを告げる妖精たちが花となって輝きます。そのひとつフクジュソウ(福寿草)は、可憐でひたむきな姿が誰をも惹きつけるのではないでしょうか。「福寿」という縁起の良い名前を持ち、花の少ない季節に黄金色のふくよかな花を咲かせるフクジュソウは、お正月の寄せ植えの鉢(「花散歩 壱百弐拾八」参照)を思い出しますが、露地では梅の終わり頃から咲きます。旧暦の正月に咲くため、古くから新春一番の花として愛されました。晩秋に芽を出し、冬に花が咲き、晩春には種を落して枯れてしまいます。種から花を咲かせるのに5年以上かかり、繁殖が容易ではありません。フクジュソウの栽培の歴史は古く、江戸時代に遡ります。後期には100種以上の品種がありました。桑畑で桑の木と共に栽培する方法がとられるようになり、養蚕農家の副業として広まりました。植物名を漢字で書くのは御法度ですが、フクジュソウは福寿草と書いた方が、この花のイメージによく似合います。別名は、元日草・賀正草・朔日草(ついたちそう)・歳旦華( さいたんげ)・福神草・福徳草・歳菊・報春花・側金盞花(そくきんせんか)……。選びに選んだような、将に目出度さ満開の異名たちです。あらゆる野草に先駆けて咲くフクジュソウは、厳寒の地では殊更愛されました。アイヌの言葉でフクジュソウを「クナウ・ノンノ」といい、直訳すれば「クナウの花」……。クナウとは、アイヌの女神で大変美しい神様だそうです。根雪を割るようにして芽生え、花咲かせる早春の輝きフクジュソウに、北の大地の人々はどんなに勇気づけられ、どんなに愛したことでしょう。(宝蔵神社大拝殿手水舎周辺)













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