平成15年2月15

UJI 花散歩  壱百四拾七

一重咲きの京ツバキ・初雁―ツバキ V

 これは「初雁」(はつかり)という一重咲きの京ツバキです。別名を「昭和侘助」(ショウワワビスケ)といい、「数寄屋侘助」(スキヤワビスケ)と呼ぶ地域もあります。洋名では「リトル・プリンセス」と呼ばれ、外国で喜ばれています。名古屋を中心に「初雁」という名のツバキがありますが、これは同名異種で白一重の大輪で葉も大きいものです。この京ツバキ「初雁」は、花茎5p前後で一重のラッパ咲きです。淡紅色の花弁には淡い紅色の縦絞りや小絞りが少し入ったりして、色彩にむらがあります。「ワビスケ」というひかえめに半開きの小ぶりの花は、日本の古人の美感に訴えるものがあったようです。「太郎冠者」を先祖として、江戸時代以来開発され、赤・ピンク・紅白の絞り・白などの30数種類を誇ります。面白いことに「昭和侘助」は開口角が大きく、より近代的だと感ずるのは、昭和という名がついているからでしょうか。茶席にいける花について「花は野にあるように」という千利休の有名な言葉があります。これは、野に咲いている花以上に、自然で、つつましく、 素直な花の美しさを引き出していける心がけと技術が必要だという意味です。花を写真に写し、それに文章をつけるのも同じように思いますが……。(智泉荘周辺)

※旧城下町として発展したところが盛ん―ツバキ「UJI花散歩 壱百参拾四
※春の木と書いて読む字は日本の国字―ツバキU「UJI花散歩 壱百四拾四
※一重咲きの京ツバキ・初雁―ツバキ V「UJI花散歩 壱百四拾七
※古い椿の白角倉―ツバキW「UJI花散歩 壱百四拾九
※春を待ち望む時期に春を告げる―ツバキ X「UJI花散歩 壱百五拾
※古くから茶花として愛好された―ツバキ Y 「UJI花散歩 壱百五拾五
※椿尽しに秋の山?!―ツバキ Z 「UJI花散歩 壱百五拾九
※藪椿に始まり藪椿に終わる―ツバキ [「UJI花散歩 壱百六拾参
※菊更紗という綺麗な名―ツバキ \「UJI花散歩 壱百七拾四
※春は曙―ツバキ ]「UJI花散歩 壱百八拾七
※紅白一対の名木―ツバキ ]T「UJI花散歩 壱百九拾壱
※いにしえよりいのち受け継ぎ―ツバキ ]U「UJI花散歩 弐百
※お止めの椿―ツバキ ]V「UJI花散歩 弐百参
※見納めの椿たち―ツバキ ]W「UJI花散歩 弐百壱拾六
※椿油―ツバキ ]X「UJI花散歩 弐百八拾壱












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