平成15年3月7

UJI 花散歩  壱百五拾七

閑寂を楽しむ「侘」と芸事の「数寄」―コチョウワビスケ


 花が開き切らず筒状にとどまるものがワビスケ(侘助)系のツバキ(椿)の特徴です。日本でのツバキの栽培は、安土桃山時代までさかのぼりますが、ワビスケはその最も早い時期から栽培されてきた園芸品種です。ツバキは茶花として好まれますが、中でも茶人が好むのは、これから咲こうとする開きかけの蕾です。但し、侘助椿のような一重で花の小さいものは、開花を用いるほうが好まれます。ワビスケは、茶人たちが特に好んで茶席の花として生けたため、ツバキの中でも特別なものとなりました。ワビスケの名の由来は諸説ありますが、そのひとつ、閑寂を楽しむ「侘(わび)」と芸事を意味する「数寄(すき)」とが複合した言葉だという説もあります。このワビスケは、花は小輪で濃い赤に白杢(しろもく)入りの茶花として重宝されているコチョウワビスケ(胡蝶侘助)です。ニシキワビスケ(二色侘助)ともいいます。紅色地に白斑が抜けたものをコチョウベニワビスケ(胡蝶紅侘助)といいます。単にワビスケと呼ぶこともあるこのツバキは、京都の社寺に古木が多く、最も大きいものは大徳寺の総見院 に秀吉が愛した日本最古のコチョウワビスケがあり、300年以上たったものが現存しています。これは、千利休が持っていたものを移植したともいわれています。花言葉は「ひかえめ」「なぐさめてあげます」です。(智泉荘周辺)




※茶花として好まれる―シロワビスケ「UJI花散歩 壱百参拾」
※侘って感じの上品さ―ベニワビスケ「UJI花散歩 壱百参拾六」












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