平成15年3月30

UJI 花散歩  壱百七拾七

呪い―スイセン W


  スイセン、ナルキッソスの由来は余りにも有名です。エコーというニンフがいました。お喋りがわざわいして女神ヘラの怒りを買い、相手の言葉尻をオウム返しにすることでしか話ができない呪いをかけられてしまいました。このニンフがナルキッソスを見初めました。美しいナルキッソスは、愛してくれる人に対して愛し返す術を知らない高慢な少年でした。奇妙な会話しか出来ないエコーをナルキッソスは邪険にしました。悔しさと恥ずかしさでエコーの身体は消滅し、声だけがやまびことして残りました。エコーをはじめナルキッソスに言い寄って拒まれた女たちの恨みつらみが、復讐の女神ネメシスの耳に入りました。女神は「誰も愛せないのなら自分を愛すればいい」とナルキッソスに呪いをかけました。ナルキッソスは、生まれたときの予言者の言葉により、自分の姿を見ないように育てられました。それが狩りの途中、澄んだ泉に映った自分の姿を見てしまったのです。あまりに美しいその姿を水のニンフと勘違いしました。鏡の中の自分を相手に、語りかけ、微笑み、手を伸ばせば波 紋の影に消えてしまう姿に滑稽なほど嘆き悲しんだ挙げ句、少年の衰弱死によって幕引きとなります。エコーは少年の最期をみとり、その呻き声を何度も繰り返したと言われています。ナルキッソスの遺体は見つかりませんでした。代わりに、その場所にはスイセンの花が凛として咲き誇っていました。ギリシャ神話の「呪い」の一節でした。花言葉は「持って生まれた素質」「思い出」です。(智泉荘周辺)

※春にさきがけて清楚で香しい花―スイセン 「UJI花散歩 壱百弐拾九
※シャネル5番はスイセンの香り―スイセン U 「UJI花散歩 壱百六拾五
※桃より白し水仙花―スイセン V 「UJI花散歩 壱百六拾六
※水辺の仙人  − スイセンX 「UJI花散歩 参百九拾四













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