「宇治の四季」

平成15年4月17

UJI 花散歩  壱百九拾五

菫物語二話―スミレ U

ワサビネスミレ

 ずっと以前(昨年の10月8日)に「茶花でいう“なごり”の花―スミレ」と題して「UJI 花散歩 四拾参」で紹介しました。今回は「菫物語」を二話お届けします。
 第一話は、ギリシャ神話です。
 ゼウスがとても可愛い娘イオと親しくしているところに、ゼウスの妻ヘラが現われました。あわてたゼウスは、イオを子牛の姿に変えて隠しました。ゼウスは、その子牛の食料となるように草をつくりました。それが「スミレ」でした。しかし、ヘラはイオのことを見抜き、イオを星にしてしまいます。ゼウスはとても悲しんで、イオの美しい瞳のイメージで草に花をつけました。それが「スミレ」の花なのです。
 第二話は、日本のゆかし(なつかしい、したわしい、心ひかれる)話です。
 山道を歩いている旅人がいました。あたりは、まだ冬があちらこちらに残っています。その旅人のほかは誰も見あたりません。枯れた草木の中を歩きます。ふと足元を見ると、枯れ草の茶色の中に緑の葉が見えます。その緑の葉の中に可憐な花が浮んで見えました。一期一会をくりかえす旅の途中で出会った菫……。その「ゆかし」さ……。その菫との出会いもまた一期一会……。とても楽しんで、愛おしんだのでしょう。旅人は一句詠みました。
  山路来て何やらゆかしすみれ草  松尾芭蕉
 今回のスミレは、「アラスカスミレ」(智泉荘周辺)と「ワサビネスミレ」(大拝殿手水舎周辺)です。花言葉は「誠実」「無邪気な恋」「小さな幸せ」です。


アラスカスミレ













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