平成15年5月6

UJI 花散歩  弐百弐拾弐

風情と厳しさ―フジ



智泉荘の藤棚

 フジ(藤)の花言葉は、「恋に酔う」「ようこそ美しき未知の方」です。『枕草子』には「色あひふかく、花房ながく咲きたる藤の花の、松にかかりたる……」とあり、『平家物語』には「池の浮草波にただよひ錦をさらすかとあやまたる。中島の松にかかれる藤波のうら紫に咲ける色……」とあるように、古くは“松”を男性、“藤”を女性のシンボルとし、松にかかった藤の姿を男女和合の相としました。「藤波」「藤娘」などで知られているように、古来、親しまれてきた植物であり、「上がり藤」「下がり藤」などの家紋にもされています。フジは日本固有の植物であり、光を求めて他の植物に巻きつき上へ上へとのぼります。花は、基部である上方から先端に向かって咲いている様にとても趣があります。しかし、見えない蔓の部分では、まきついた方と巻きつかれた方が、お互いに太ろうとして締め付け合い、結果的にフジが他の木の幹に食い込み、その木の肥大成長に異常をきたさせます。山の上のほうに美しい淡紫色を見つけたときは、なんともいえない風情を感じますが、その下での様 子を想像すると自然界の厳しさを知らされているようで複雑な気持ちになります。(智泉荘・上求参道周辺)


上求参道から山王山を望む藤













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