平成15年5月18日

UJI 花散歩 弐百参拾七

いずれあやめと引きわづらふ―サンズンアヤメ

  菖蒲と書いて「アヤメ」と読ませるのが普通ですが、そのまま「ショウブ」と読んでしまうと混乱します。「ショウブ(菖蒲)」は、端午の節句の菖蒲湯に使われますが、花は全く違います。まだまだややこしいのは、ハナショウブ(花菖蒲)とアヤメ(菖蒲・綾目・文目)とカキツバタ(杜若)の区別です。いずれがアヤメかカキツバタ、と言われますが、見分けは難しいでしょう。もっともハナショウブは、花が大きいことや紫や白の色の多いことで、比較的容易に見分けられます。アヤメには、花の付け根に虎斑模様(これがあやめです)があること、また葉が並列し綾をなすからともいいます。写真のものは、サンズンアヤメ(三寸菖蒲)です。
『太平記』に書かれている話を紹介します。源三位頼政(げんざんみよりまさ)は、宮中で「あやめ」という名の美しい女官に恋をしました。帝は頼政にその女性を賜ろうと思いましたが、同じ年頃の美しい女官達に並べて、離れたところから頼政が「あやめ」を見つけられるか試しました。困った頼政は、歌を詠むことにしました。

五月雨に沢辺のまこも水越えていずれあやめと引きわづらふ

 すると、歌を聞いて頬を赤らめた女性がいたので、頼政は「あやめ」を見つけることが出来ました。頼政は帝から「あやめ」を賜り、幸せに暮らしました。
 花言葉は、「良き便り」「神秘な人」「信じるものの幸福」です。(愛泉荘周辺)













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