平成15年5月25日

UJI 花散歩 弐百四拾七

片田舎から広く世界中へ―ジギタリス

  ジギタリスの和名は、袋状の花の形からキツネノテブクロ(狐の手袋)と可愛い名前です。また、心臓草とも呼ばれ、古くから薬草として有名です。強心利尿の薬草ですが、劇薬ですので取り扱いにはご注意下さい。ヨーロッパ原産の薬用植物です。ジギタリス(Digitalis)の語源は、指を意味する言葉で花冠が指に似ているところからきたそうです。和名のキツネノテブクロは、英名のFoxgloveからきていますが、狐の尾と同様にその花を魔除けにした俗習に由来する節と、英名の直訳で「悪い妖精たちが、自分たちの休息場をキツネたちがうろつく時に足音がしないようにこの花を履かせた」という伝説に因っています。ジギタリスは、古くからイギリスで民間的に薬用に供されていました。それを近代医学に取り入れたのは、18世紀の医師ウィザリング(William Withering)です。彼は、シュロップシャー地方である老夫人が、極めて効果的に水腫の治療に用いている20種類の生薬からなる民間処方の有効成分が、ジギタリスではないかと目をつけ、ジギタリスそのものを自分の患者に試用したところ、卓効を得ました。そこで彼は、大勢の医師仲間たちの協力を得て、約10年間研究を積み重ね、その結果を『An Account of the Foxglove, and Some of its Medical Uses(狐の手袋とその医学的効能に関する記事)』と題して出版しました。1785年のことです。こうしてイギリスの片田舎の一民間薬が広く世界中に知られるようになったのです。花言葉は「熱愛」「健康的」「熱い胸の内」などです。(智泉荘周辺)



平成18年6月1日撮影:智泉荘周辺













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