平成15年6月23日

UJI 花散歩 弐百八拾参

日本が世界に誇れる伝統園芸植物―ハナショウブ U

 ハナショウブ(花菖蒲)は、江戸時代の中頃より各地に自生するノハナショウブ(野花菖蒲)の変わり咲きをもとに改良され、発達してきた日本が世界に誇れる伝統園芸植物といえます。改良されてきた地域の名をとって、江戸系(江戸花菖蒲)、伊勢系(伊勢松坂花菖蒲)、肥後系(熊本花菖蒲)というように分けられています。江戸系は主に花菖蒲園向き、肥後系や伊勢系は鉢植えの室内鑑賞向きに発達してきました。その他、山形県長井市に保存されている長井古種(ながいこしゅ)のような、江戸花菖蒲古花よりも更に古い時代の野生種に近い系統や、アメリカなどで改良された外国系、またカキツバタやキショウブとの種間交配種を含め、現存する品種は2000品種以上にも及んでいます。江戸時代初期の家康、秀忠、家光の三代将軍の花癖が元になり、日本のみならず海外からも様々な草花が江戸に集まり、江戸は世界に類を見ない園芸都市に発達します。こうした風潮の中で花菖蒲も様々な変わり花が各地から江戸に集められ、次第に改良され、発達してゆきました。こうして江戸で大成した花菖蒲を中心に現在まで改良が続いてきた品種群が江戸花菖蒲と呼ばれる系統です。ちなみに大正時代から昭和の初期に伊勢系や肥後系が一般に知られるようになるまでは、花菖蒲といえば、この江戸花菖蒲を指しました。(智泉荘周辺)
※ 「UJI花散歩 弐百七拾六」日本に自生する野花菖蒲から改良―ハナショウブ













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