平成15年7月22日

UJI 花散歩 参百壱拾弐

冬は虫になり、夏は草になる―トウチュウカソウ

 中国では数千年もの間、宮廷内など上流階級の人々だけに珍重されてきた“幻の薬草”があります。トウチュウカソウ(冬虫夏草)です。トウチュウカソウを特に有名にしたのは、1993年にドイツのシュットガルトで行われた世界陸上競技選手権でのことです。そこで中国女子長距離陣(馬軍団)が次々に世界記録をうちたてました。その原動力になったのがトウチュウカソウをスタミナ源にしたスープであった、というのがトウチュウカソウの有名になったきっかけです。トウチュウカソウとは、生きている虫に取り付き、その虫を殺して栄養を吸い取りながら成長する、そんなホラーがかった殺虫キノコの総称です。名前の由来は、虫からキノコが生えた姿を見た人が「冬は虫になり、夏は草になる」とイメージを膨らませたから、と言われています。中国では、標高3000m〜4000mの高山地帯に生息するコウモリガ(蝙蝠蛾)の幼虫に寄生したキノコだけをトウチュウカソウと定義しています。日本でトウチュウカソウと呼ばれるキノコは、蝶・蟻・蝉・蝿・蛾・蜻蛉などさまざまな昆虫に寄生したものをさします。
  世界では約400種が生息していると推定され、そのうち約300種が日本で発見されたものです。意外にも日本は、世界有数のトウチュウカソウ産地なのです。森の底を読むように探し歩けば、新種の発見者になれるかも知れません。(智泉荘周辺)












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