平成15年7月25日

UJI 花散歩 参百壱拾五

蘭に似た一日花―ミョウガ U

 暑い夏に冷たい素麺。素麺にはミョウガ(茗荷)を添えるとより味が生かされます。ミョウガは日本独特の微妙な味です。野趣に富んだ独特の香気と微かな辛み、シャキッとした歯触りを楽しみたびに日本の夏を感じます。素麺の薬味のほか、刺身のツマ、天ぷら、汁に浮かせる、酢漬、味噌漬、糠漬などで食べます。花の咲く前の苞(ほう)と蕾が花ミョウガ(ミョウガの子)で、淡黄色の花は蘭に似て一日の命です。花が開いてしまうと中がスカスカになり、香りも落ちるので開花前が食べ時です。花は花で凄くいい香りがするのですが……。古典落語に「茗荷屋」というのがあります。神奈川宿の落ち目の旅籠(はたご)・茗荷屋の主人は、客が財布や荷物を置き忘れて発つようにと知恵をしぼった結果、ミョウガづくしで客を迎えます。茗荷湯・茗荷飯・煮しめ・一夜漬など……。これは俗説によったのでしょうが、考えつく限りの調理法で努力します。しかし、この話は、主人のほうが旅籠銭をもらい忘れて、おち! 今では、この「ミョウガを食べると物忘れをする」という俗説を信じて敬遠する人はいないでしょう。日本の夏の香りを心おきなく味わいたいものです。(智泉荘周辺)

※「UJI花散歩 参百参」 名前を背負って歩く―ミョウガ











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