平成15年7月26日

UJI 花散歩 参百壱拾六

平安貴族の檜扇に似ている―ヒオウギ

 ヒオウギは「檜扇」と書きます。蜜に互生した剣状の葉が重なり合った様子が、平安時代の貴族が用いた檜扇に似ていることに由来します。檜扇は、衣冠・直衣の際、笏(しゃく)に代えて用いたものです。ヒオウギは夏の花で、幾つにも枝分かれした先にオレンジ色の花をつけます。元気よく咲く花と葉の緑のコントラストはとても綺麗です。花は夜になると萎んできます。ヒオウギの種は、丸く艶のいい黒色をしています。その色を烏の羽の色に見立てて、烏羽玉(うばたま)と称しました。ウバタマは射干玉(ぬばたま)とも言い、その漆黒ぶりから、黒・闇・夜・夢・宵・月などの枕詞として『万葉集』には登場します。万葉の古から至る所に自生していたのでしょう。
     ぬばたまの黒髪変わり白髪(しらけ)ても
                   痛き恋には会う時ありけり
     烏羽玉の夜のふけぬれば久木生ふる
                   清き河原に千鳥しば鳴く
 広く帰化している北アメリカでも、種子の色からブラックベリー・リリー(Blackbery lily:英名)と呼ばれ、漢名は射干(ヤカン)といいます。花言葉は「誠意」「高貴」です。(智泉荘周辺)

※「UJI花散歩 参百参拾五」小さい黒真珠のよう―ヒオウギの実











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