平成15年7月27日

UJI 花散歩 参百壱拾七

多種多様ゆえに素朴な美しさに新鮮な驚き―マツバボタン

 日本では古くから親しまれている夏の花壇には欠かせない花、といわれるマツバボタン(松葉牡丹)は、葉が多肉で細く、花がボタン(牡丹)に似ているので、この名がつきました。花の寿命は短く一日花ですが、次々に咲きます。夏の暑さや乾燥に強く、日照りにも負けずに咲き誇り、ヒデリソウ(日照り草)とも言われます。また、花が咲き始めるころに枝先を爪で切って挿せば、すぐに根が出て簡単に増やせることから、ツメキリソウ(爪切り草)と呼んでいました。かわいさを誉めるときに使う美辞麗句にマツバボタンは登場します。花言葉も「かわいい」「無邪気」「可憐」です。最近、マツバボタンによく似たハナスベリヒユとかポーチュラカ【「UJI花散歩 弐拾弐」参照】と呼ばれる花を見かけます。日本に入って来て10年チョットだそうですが、年々色々な品種が追加されています。多種多様な花が出てくることで、逆に本来のマツバボタンの素朴な美しさに新鮮な驚きを感じる、と多くの人が言います。マツバボタンの花の雄蘂は、楊枝などで触ると動くのが観察出来ます。日本
のキリシタン伝説を参考に掲げます。(智泉荘周辺)
 
 
キリシタン伝説

 昔、長門のある村に、大変正直な老夫婦が住んでいました。
 ある日、二人は病気で倒れていた南蛮のお坊さんを家に運んで看病してあげました。元気になったお坊さんは、二人に可愛い南蛮の花の種をお礼にあげました。とても小さくて黒い鉄粉のような種でした。
 老夫婦が畑の隅に種を蒔くと色とりどりの可愛らしい花が咲きました。この花の評判は、花好きの殿様の耳にも届き、殿様も花を見に来て気に入りました。ところが、以後、花を盗んでいく人たちが後を絶ちませんでした。そこで殿様は、花を欲しがっている人達を城に集め、鉄粉のような種を配り、「花が咲いたら鉢を見せに城に来るように」と言いました。種は老夫婦にも配られました。
 やがて夏になり、花の咲いた鉢を持った人々が集まりました。しかし、老夫婦の鉢だけは芽も出ていませんでした。老夫婦は花を咲かせられなかったことを謝りましたが、殿様は、自分が渡したのは南蛮の花の種ではなく鉄粉だったことをあかし、正直な老夫婦を誉めました。そして花盗人たちを捕らえさせました。
 可愛らしい南蛮の花というのは、マツバボタン(松葉牡丹)のことで、この時初めて日本に伝えられたそうです。

 
 












素材提供「みんちゃんのへや






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