平成15年7月29日

UJI 花散歩 参百壱拾九

競い合うように群生―セリ

 セリ(芹)は「春の七草」のひとつです。セリは野趣のある香りが魅力です(小川や田や湿地に自生するセリのことで、栽培品は香りが少ない)が、ミツバ(三つ葉)・フキ(蕗)・ウド(独活)・ワサビ(山葵)とともに、日本の野草から野菜になったものです。数少ないわが国原産の野菜のひとつというわけです。セリの名前の由来は、「競い合うように群生して生えることから」ついたとされています。セリは、古くから鍋物の主役として珍重されてきました。江戸川柳に、
        鍋焼きの鴨と芹とは二世の縁
 というのがあり、このことからも鴨(カモ)とセリ(芹)の鍋物が古くから親しまれていたことがわかります。花言葉は「貧乏だが高潔」「清廉潔白」です。『三国伝記』に出ている話を別に掲載します。(智泉荘周辺)
 
 

室町時代に成立した仏教説話集『三国伝記』より

 聖徳太子が27歳の春に膳村のあたりに行啓(ぎょうけい)した時、太子は芹摘みをしている身分の低い三人の女性を見ました。二人は太子に走りよって奉迎(ほうげい)しましたが、一人は芹を摘み続けていました。不思議に思った太子が従者に理由を尋ねさせると、その娘は、「私は赤子の時に橘山に捨てられ、膳村の老女に拾われて育てられました。今日初めて芹摘みに来ましたが、養母の恩に報いるために沢山の芹を摘みたいので、太子を奉迎する余裕がありません」と答えました。太子は娘を気に入り、その夜、后にするために娘を訪ねることを約束しました。夜になっても太子がなかなか現れないので村人は嘲笑しましたが、太子は夜半過ぎに現れ、老女の接待を受け、娘を宮中に迎え入れました。そして彼女を第一の后、膳手の后と称しました。(奈良県の「膳夫(かしわて)姫伝説」も同様の話です)

 
 












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