平成15年7月31日

UJI 花散歩 参百弐拾壱

藤の季節でないときに咲く―ナツフジ

  ナツフジ(夏藤)は、林の中に生える蔓性の低木です。春のフジほど華やかでなく、小さくしたような感じです。花が夏に咲くことから、この名があります。ススキ(薄)やササ(笹)などにからみついて伸びます。暑い時期に、この花は涼しさをくれるような気がします。土用の頃に咲くのでドヨウフジ(土用藤)ともいいます。葉のつけ根から長い柄を下向きに伸ばし、やや緑がかった白色の蝶形花を総状に多数つけます。これらの花はちょっと触っただけでパラパラと落ちます。フジの名は、花が「吹き散る」ところから来たといいます。フジには、ノダフジ(右巻き)、ヤマフジ(左巻き)、盛夏に白花を咲かすナツフジがあります。『万葉集』には、フジを詠んだ歌が27首あり、登場する植物の中では7番目に多いものです。宿だとか家のフジを詠んでいることから、万葉時代に既に栽培・鑑賞されていたことが分かります。ナツフジは、『万葉集』では「ときじきふじ」の名で詠まれています。「ときじきふじ」は「非時藤」で「フジの季節でない時期に咲くフジ」の意味です。『古事記』、『万葉集』、『平家物語』、『枕草子』、『徒然草』など代表的な古典の中には、「藤」の文字が使われています。これは中国産の「紫藤」からもらったものであるらしい。フジは日本特産で漢名はありません。(宝蔵神社周辺)









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