平成16年5月18日

UJI 花散歩 参百四拾七

日本人の美的感覚に訴える繊細さ―セッコク


 セッコク(石斛)は、日本の九州より東北地方の山林地帯に自生するのデンドロビュームに属する野生ラン科植物です。学名は「Dendrobium,moniliforme」です。多数の節があり、一般のデンドロビウムと同じく、前年度の茎に香りのよい清楚な花を多数つけ、5月頃に咲かせます。鑑賞価値の大変高い蘭です。洋ランのように交配が進んでおらず、自然選抜によって新品種が生まれています。自生地は山林の樹上もしくは岩盤に着生しており、自然の降雨のみにて生育します。いたって乾燥と寒さに強く、着生ランといわれる部類に属します。洋ランのように華麗な花ではありませんが古来より、わび、さびといった日本人の美的感覚に訴える繊細さをもった小型の可憐な花です。セッコク(石斛)の名は、漢方薬の「セキコク(石斛)」がなまったもので古くより野生のものが、強壮、鎮痛、健胃剤などの薬用として用いられていました。江戸時代の天保年間頃には、葉の変化した、葉変わり(班入り・縞)や軸の変化した物(飴矢等)、さらには花等も鑑賞されていたそうです。これらの葉変わりや軸の変化した物は、登録されて長生蘭と称され、現在も多くの品種が栽培されています。別名「岩薬(いわぐすり)」「少名彦薬根(すくなひこのくすね)」。石斛の古名は「長生蘭(ちょうせいらん)」。中国名はこの「長生蘭」です。日本原産。(智泉荘周辺)









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