平成16年5月20日

UJI 花散歩 参百四拾九

磋くこと砥の如し―トクサ


 トクサ(砥草)は、水辺や湿地によく自生していますが、竹を小さくしたような独特の風情があり、日本庭園の池などの周りに植えられています。砥草は、砥石の代用の草の意味で、茎に珪酸(けいさん)を多量に含むことから、昔から家具や工芸品の仕上げ砥石の代わりの研磨に使用しました。日本の古書の「和漢三才図会(わかんさんさいずえ・1713)」には、「物を磋(みがく)こと砥(といし)の如し、ゆえに砥草(とくさ)と称す」という記述があります。また茎を乾燥させたものを「木賊(とくさ)」という名で薬用(腸出血や痔出血の止血、風邪の解熱など)に用います。内田百閨i内田百鬼園とも号した)の「ノラや」に、いなくなった愛猫の「ノラ」が砥草の中に消えていく夢を見て、「砥草にすられて消えてしまった」と涙するところがありました。トクサは、シダ植物の一種で、本州の中部以北、北海道に自生(じせい)して朝鮮半島、中国、サハリン、千島、シベリア、ヨーロッパ、北米などの北半球の寒地に広く分布します。(智泉荘周辺)









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