平成18年12月27日

UJI 花散歩 参百八拾八

 


紙の原料から七夕まで − 梶(かじ)

黄緑から黄色へ、
きれいなグラデーションで紅葉しているのは、
梶(かじ)の葉です。


こんな風に、なにげなく生えている梶の木ですが、
実は、古来から神に捧げる神木として尊ばれ、
神社などの境内に多く植えられたのだそうです。
神事では、葉が供え物の敷物に使われていました。

ちなみに、信州の諏訪大社の神紋は、
この梶の葉をデザインしたものです。

こんな風に、なにげなく生えている梶の木ですが、
クワ科のコウゾ属で、あの、和紙の原料 “コウゾ“ の原種です。
ということは、やっぱり、紙の原料にもなるそうです。

梶の木の皮は、コウゾよりも繊維が長いため、
漉くとよく絡み合い、とても丈夫な和紙になるとのこと。
いまでも、書道用紙をはじめ、提灯などに使用されています。

こんな風に、なにげなく生えている梶の木ですが、
昔、七夕のときには、今のように笹に短冊ではなく、
この梶の葉に和歌をしたため、芸事の上達を願ったのだそうです。
それが変じて、梶の葉にサトイモの葉の露ですった墨で字を書くと、
字が上達する・・・という風習も残っています。

調べてみると、
紙の原料から、諏訪大社の神紋から、
七夕の和歌から、字の上達まで。
いろいろな深い背景を持つ、梶の木でした。


新古今和歌集には、こんな歌もありました。

七夕のと渡る舟の梶の葉に いく秋かきつ露の玉づさ
                               皇太后宮大夫俊成









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