僕はこの10日間、一つ一つ覚えていられないほどの奇跡を体験しました。
その中でも特に衝撃的で感動した三つの体験を書きます。
一つ目は、山口先生の座談会での事です。
僕は人から誉められることが嫌いで、最も言われて腹が立つ言葉は「太田君は優しいね」でした。
それは何故かというと、その言葉を発している本人を見ていると嘘のようにしか聞こえなかったからです。
多分このような気持ちになる理由は、心の奥底から人を信じたことがないからです。
しかし、それが一変する出来事がありました。
三日目の山口先生の座談会で僕が前日に起きたことを発表している時でした。
僕は基本的に下を向きながら話していたのですが、その時、一瞬だけ顔を上げ、
山口先生の目を見ました。
その時の衝撃は今でも忘れません。
山口先生の周りから明るい光りが出ていて、あの目に吸い込まれそうになったのです。
それを見た直後にこの22年間、友達はもちろん、親や兄弟など、誰にも開けたことのない
心の扉がものすごい勢いで全開になりました。
「こんな人が世の中にいるのか」と、本気で驚きました。
この人なら信頼できると感じ、人を完全に信頼するというのはこのことか」と思いました。
そのような事を考えていると涙がジワジワ出てきて、なんで涙が出るのか分りませんでした。
そして、この座談会のちょっと前、一人でご飯を食べている時、長田先生が僕の前に座り、
色々と話して下さいました。
その時に言われた言葉が「相手を信じなければ相手の心は開かない」でした。
その時は何気なく聞いていた言葉でしたが、あの不思議な体験をした後に思い出してみると、
「うわ、何この言葉」正に今経験したことで、身を持ってこの言葉の意味を感じました。
また、様々な講話での言葉なのですが、「観方を変えれば味方となる」
「人それぞれに個性がある」という言葉がノートに書いてあり、色々考えていくうちに、
あれほどまで嫌っていた「優しいね」という言葉が僕の中で「人を本気で信じ、
優しさが全開にまで高まった時、人を救えるのだ」と思えるようになりました。
「優しいね」という言葉の意味や力をこれほど素晴らしいものかと実感できた瞬間でした。
その個性を自分は更に伸ばしていこうと思いました。
二個目の衝撃的な体験は長田先生とお話をしている時でした。
食堂の前のベンチで色々な方からもらったお菓子が沢山あり、
一人では食べきれないので皆さんと食べている時でした。
その時ちょうど長田先生とN君が一緒に歩いていたので、「N君、お菓子たべますか?」と聞いたら、
長田先生が隣に座ってくれました。
その時に話していた話題が「座談形式での体験談発表」についてで、
その時僕は「まだまだ話し足りない事が分りました」みたいなことを言っていました。
なので長田先生が自然と僕の話しを聞いて下さいました。
その時の話が、「僕はこの練成会に参加している色々な方が優しくしくて本当に大好きです。
それで昔の事を沢山思い出しました。
僕は6人兄弟の末っ子で、自慢ではないのですが、ものすごくみんなに可愛がられ、
愛してもらって育てられたこと、これは僕が小学生か中学生の時に言われた事ですが、
僕が赤ん坊の時に父に反対されながらも母と兄弟五人、流産児の兄一人の七人で
宇治の練成に参加したこと、その宇治の練成に参加している時に僕が始めて立ったこと、
「だからあんたはずごい子よ」と言われたことなど、色々な事が鮮明に蘇ってきました。
僕は昔あんなに大好きだった兄弟が、いつの間にか好きではなくなっていたこと。
家での関係が少し寒いこと。こういう事を沢山思い出して、自分の本心は
みんなの辛そうな姿を見ていてとても悲しいこと。
そして僕はあんなにみんなから可愛がられて、愛されたのだから、
僕が恩返しのためにみんなのことを助けてあげたいことを全部話しました。
もう話している最中に涙が止まらなくなりました。
そんな時に僕の背中をずっと長田先生はさすってくれました。
もう本当に色々な思いがどんどん出てきました。
あの時はもうよく分りませんでした。
僕はもう既に自分の悩みはなくなっていると思っていました。
就職先への悩みなんて、あった事もすっかり忘れていたほどすっきりしていたはずなのに、
浄心行ではまったく何も感じなかったはずなのに、あの時、あの場所で話したことで
自分でも気付かないくらい奥の底の底にあった悩みを全部出して下さいました。
本当にスッキリしました。感謝の気持ちで一杯でした。
長田先生、あの時、本当にありがとうございました。
ですが、あの時起きたことは様々な偶然から起きたことです。
不思議でしょうがないです。
多分色々な見えない力が働いてくれて起きた出来事だと思います。
そして母がこれまで一人で生長の家をやってきて、先祖供養などを沢山やっていてくれたお陰です。
最後の体験は、長田先生に色々話した後の講話から、次の日の昼にかけてです。
講話中しばらく思い出しては泣く事を繰り返していましたが、次第におさまりました。
その後ですが、長田先生の言葉が自分の中にとてもよく入ってきました。
特に入ってきたのが「喜べ喜べ、今しかない、今その時を喜べ」でした。
この言葉を聴いてから、「ああ、今、この瞬間、喜べばいいのか」と自然に思えるようになりました。
それから自分の思いや考えがどんどん変わっていきました。
楽しくて楽しくてしょうがなくなりました。
全てが仲間で、僕に力を貸してくれている気がしてきました。
何か地面や物や空気から白いモヤモヤしているようなイメージが湧いて来て、
それが全て僕に力を貸してくれているように思えてきて、どんどん力が湧いていました。
この状態が次の日のお昼まで続き、あの体験は僕にとって宝物のような気がします。
あの体験から感じたことは、今までの自分は周りを敵と見ており、自分から拒絶していました。
ですから今ではこの世の全てが僕の事を助けてくれ、力になってくれる存在だと思っています。
そして僕は決意します。8人家族の末っ子に生まれた使命として、恩返しします。
「周りは自分が反射した姿」だと気付いたので、自分が今の状態を持続させれば
口で説明しなくても救えると思います。
本当にこの時期、10日前までのこの自分、全てが整って、ちょうどいい時を選んで
この10日間練成に導いて下さった神様、両親、兄弟、先生方、職員の方、
おいしいご飯を作って下さった食堂の方々、練成員全ての人々、そしてご先祖様に感謝します。
ありがとうございました。 |